70代 男性 パーキンソン症候群
相談内容
足のふるえを改善したい
スムーズに動けるようになりたい
前傾姿勢を改善したい
経緯
数年前から動作がゆっくりになり、ふるえが徐々に出現。
ここ1年で歩行の不安定さとすくみ足が目立ち、特に階段や坂道で支障が出るようになったため受診。
近医で薬物療法は継続中で、神経内科と連携しながら保存的に運動機能の改善を図ることになり、
当院で整体+鍼灸を開始しました。
初回来院時の症状
立位・歩行:小刻み歩行(歩幅狭小)、すり足傾向、歩行開始時のすくみ(数秒〜十数秒)あり。
バランス:軽度〜中等度の姿勢反射障害を示唆する姿勢保持困難、立ち上がりでの不安定感。
振戦(ふるえ):下肢の安静時振戦が認められる(特に片側優位)。
日常動作:階段や坂道での踏ん張りが弱く、転倒リスクが増加。
その他:睡眠・疲労の訴え、軽度の腰痛・首こりあり。薬物の副作用や増減は神経内科と調整済み。
初回カウンセリング
まずは患者様の「困っている場面」を丁寧に伺いました。
「散歩中に急に足が出なくなるのが怖い」「階段でつまずきやすくなった」など具体的なエピソード。
日常生活の動作観察と薬の服用状況、既往歴、家でのサポート体制(同居や介護状況)も確認。
患者様は手術や侵襲的介入を望まず、運動機能の改善と転倒予防を第一希望とされました。
主治医との情報共有の許可をいただき、連携しながら介入を行うことを確認しました。
初回検査
動作評価:歩行観察、立ち上がり動作、階段昇降の模擬評価。
機能評価:歩幅・歩速の簡易測定、立位バランス(片脚立ち時間など)、Timed Up & Go(TUG)を実施(臨床記録として比較)。
筋・関節評価:下肢・体幹の筋緊張、関節可動域、足関節・股関節の連動性チェック。
神経学的スクリーニング:感覚・深部腱反射の簡易確認(必要時は主治医へ報告)。
転倒リスク判定:家屋内の移動方法や靴の着用状況を確認し、すぐにできる環境改善を提案。
経過
2回目 腰の痛みは改善されているが重さあり
左下肢のふるえが強く出現。
4回目 そこまで大きな変化は感じられず、
立位検査では壁に頭がつくように。
8回目 左下肢のふるえは出ているが、
気にならない時も増えてきている。
12回目 左下肢のふるえは出ていない
動きもスムーズになっているが
方向転換時にバランスを崩しやすい
20回目 左下肢のふるえは出なくなった。
動きも来院当初より早くなった。
しかし、自宅で転倒する日もある。
今後も定期的なメンテナンスを続け、なるべく日常生活に支障が出ない様にケアをしていく。
考察(当院の見解)
多面的アプローチの重要性
中枢の病変があっても、姿勢・筋緊張・関節可動性・動作パターンといった末梢の調整で「動きやすさ」は大きく改善できます。当院では整体で重心・アライメントを整え、鍼灸で筋緊張と感覚入力を改善して歩行の質と転倒リスクを下げました。
患者主体の目標設定
「転倒を減らしたい」「外出を楽にしたい」など具体的な生活目標を共有すると治療の方向性が明確になり、継続しやすくなります。小さな改善を積み重ねることが最終的なQOL向上につながります。
安全確保と他職種連携
高齢・転倒リスクが高い場合は安全最優先で介入し、薬や基礎疾患が関係しそうなときは主治医と連携します。本症例でも医師と情報共有を行い、安全に治療を進めました。
継続が成果を生む
パーキンソニズムは短期での完治より、継続的な機能改善が大切です。定期的なメンテナンスと自宅でのセルフケアを続けることで再発予防と生活の安定につながります。
最後に
もし「ふるえ」「歩行のぎこちなさ」「転倒の不安」でお困りでしたら、一度当院で動作評価を受けてみてください。
薬のことや主治医との連携も含め、あなたに合った無理のないプランを一緒に作ります。
相談はLINEでも受け付けていますので、まずはお気軽にご連絡ください。