MRIで異常のない指先のしびれ
相談内容
手根管症候群による手指のしびれ、違和感を取り除きたい
首肩のコリの軽減
経緯
50代女性。4月頃から左右の手指(特に母指~示指)にピリピリとしたしびれを自覚。
5月に脳神経外科を受診しMRI検査を実施したが、脳・頚髄に異常所見は認められず。
検査結果報告時に「年齢・症状から手根管症候群が疑われる」と説明され、整形外科受診を勧められたものの、手術(オペ)には抵抗があるため、根本的な手技療法・鍼灸治療を求め、当院へご来院。
初回来院時の症状
左手先から第2関節までのしびれ
首すじのコリ、背中(肩甲骨)の張り
片頭痛
緊張性頭痛
腰痛
初回カウンセリング
仕事中にPC打鍵していると徐々に指先〜手掌にかけてしびれが出てくると話されていました。
その他にも慢性的な頭痛が昔からあり、腰痛もここ数年悩まされているようです。
首痛もあり前屈時は後頚部のつっぱりが辛い。
初回検査
ファレンテスト:陰性
チネル徴候:陽性(手根管部で叩打痛あり)
パーフェクトOテスト:陰性
その他既往・合併症状:片頭痛・緊張性頭痛を慢性的に自覚
慢性腰痛、頚部痛(首こり)
後日、提携医療機関にて頚椎レントゲン検査を実施。
変形性頚椎症と診断され、頚部からの神経症状の関与も示唆。
経過
2回目 初回施術後は怠さが少し出たが首〜肩の緊張が少し軽減
4回目 頚部の可動域の改善、しびれ感は少しだけ軽減するが仕事中など徐々に症状が強く出てくる。特に夕方以降
7回目 右指先のしびれは軽減して違和感が少なくなってきた。
左指先はしびれ残存
10回目 左手先のしびれも軽減して指の平に少し残存する程度まで回復
頭痛や腰痛の頻度も軽減してきている。
考察
本症例は手根管部の局所的圧迫所見(チネル陽性)がありつつ、変形性頚椎症による神経根圧迫も併存。
局所と頚部、両面からのアプローチが必要と考えた。
手術回避を希望する患者には、鍼灸・徒手療法・物理療法を組み合わせることで、症状の軽減と機能回復が期待できる。
手根管に負担をかける家事動作やスマホ操作の姿勢改善、夜間サポーター装着などセルフケア指導が長期的な再発予防に寄与した。
当院の根本療法(頚部アライメント+筋膜バランス調整)が、単一要因ではないしびれ症状の改善に大きく貢献したと考えられる。